ぱたこの頭のなか

アラサーのぱたこです。なんだかいろいろなものに手をつけてどれも中途半端になって少しだけ戸惑う人生です。でも、そんななかでもちょっぴり開きなおってみて、好きな映画や音楽、モノやコト、思っていることなど、私の頭のなかで悶々とうごめいていることを綴ります。それで自分でも何かに気づいたり、何か変化するきっかけになればいいなとの目論見もありつつ。。お気が向いたらぜひ、頭のなかを覗いてやってください。

ドキュメンタリー映画「トゥルーコスト」を観て

NETFLIXでスマートフォン端末上で映画を観た。

ドキュメンタリー好きの私が選んだタイトルが「真の代償」。

NETFLIX上では真の代償というタイトルで登録されていたが、この映画は「ザ・トゥルーコスト~ファストファッション 真の代償~」というタイトルで配給会社「ユナイテッドピープル」の配給で、11月14日、渋谷のアップリンクで公開が開始される。

 

 ファストファッションといえば、日本でも低価格で話題性もあり、よく購入するという人もいるだろう。これはそのファストファッションの裏側にスポットライトを当てて、ファッション業界の闇の部分を追っていくドキュメンタリーだ。

 

 たかだか20年ほどで衣服の低価格化がものすごい早さで進んだ。ファストファッションに人々は飛びつき、衣服をたくさん買うようになった。でも買ってはみたものの、あまり似合わない、安いからいいやとまた次の服を手にとる。そんなサイクルで先進国の人たちが購入する衣服の量は増えた。

 

 だが、ファッションが低価格化する、その代償を誰がとっていたか。先進国のファストファッション企業から強いられ、劣悪な環境や待遇で働かされる発展途上国の人たちの言葉や姿が映し出される。まだ記憶にも新しいバングラデシュで倒壊したファストファッションの縫製工場のニュース。この倒壊では死亡者も多く出た。倒壊の恐れのある建物で人々は働かされていたゆえに起こった出来事だ。

 

 衣服の原材料である綿花の栽培でも同様だ。モンサント社がインド農家の土地を買い取り、大量に生産されるファストファッションブランドの衣服のための綿花をつくるために働かせる。栽培の手間を省くために、モンサント社が売るラウンドアップという除草剤を大量に撒く。その結果、インド人農家の健康を蝕み、農作業ができなくなる。そうなれば、モンサント社は契約を打ち切るといい、インド人は自殺を図る。

 

 大量消費のために途上国の人たちを買い叩いて作られた衣服は、先進国でファストファッションに群がった人たちによって、簡単に捨てられる。

捨てられた衣服はどうなるか?200年もの間、土に返ることもなく有害物質を発生させる。衣服を捨てる場所の土地だけを占拠して…。

 

 映画のなかでは、問題を追いつつも、その問題に立ち向かっているピープルツリーの代表やジャーナリストなどの活動家たちの活動にもカメラを向け、取り上げている。彼らの主なメッセージは「消費者も考える必要がある、消費者や大きなシステムを変えれば、この問題点は変えることができる」。

 

 たいてい服を買うとき、価格やデザインにしか目がいかない。その衣服を作るのに誰かが犠牲になっているかもしれないなど、多くの人はその1枚の衣服からは考えつかない。

私もこの映画を観るまでは、同じ。例えばユニクロの商品でも安いからとつい、そこまで

気に入っていなくとも、購入する。その後はすぐ捨てることなく長く使う。だがMADE IN ~のタグでなんとなく感じとってはいたものの、どんな場所で誰が作っているかは明確に意識していなかった。

 

 このファストファッションの問題点を解決するとしたら、それはやはり活動家たちも考えるように、消費者が考えるしかないのだと思う。その衣服は本当に自分に必要か?ずっと着ていたいと思う服なのか?購入する前によく考えるべきだ。

必要なのは、今起きていることをそれぞれの消費者が直視すること。その上で、自分はどう消費活動をするか。企業の誇大広告や宣伝に惑わされることなく、自分自身で判断することが必要なんじゃないだろうか。

 

 衣服に限らず、作り手の顔が見えて何十年と使いたいと思えるようなものを選んで買えば、身に付けたり、使う自分自身も心地よい。暮らし方もていねいになって、心も満たされる。安いものを大量に買うのではなく、気に入ったものを厳選して買う。多少高くても、気に入ったものならその金額に見合うだけの対価は絶対にある。きちんとその商品に見合う対価を支払うことで作る側と買う側の関係も対等になる。

 

 企業は消費者が求めることをする。消費者がちょっと立ち止まり、問題点を直視し自分の消費活動を省みることで現状を変えることは大いにできるはずだ。ひとりでも多くの人がそのような考えに至れば、それが企業を変える大きな力になる。

 

 今までなんとなく感じていたファストファッションの問題も、この映画を観ることで、自分のなかで見逃せない問題点に変わった。物を買うときは、よく考えて必要以上に物を買わない、買うならば吟味して、作り手の顔を意識できる物を選び取っていきたいと思った。

衣服を買う人なら誰でも、観る必要があるのではないかと思わせる作品だ。

 

pataco